2017/07/16

一人で祇園祭に行った。自分で浴衣を着た。一目惚れをして買った、紫と白の、しっとりとした浴衣。舗装された道路をカランコロンと音を立てて歩いた。繊細な色使いで桔梗の花が描かれた扇子。仰ぐと、付けた香りが頬を撫でた。和の香り。街中が艶やかに色めいて誰も彼もが夢を見ていた。ハレの日だから。誰もが特別だった。誰もが主役で、だからわたしも主役だった。

 

したいことがたくさんある。

深夜の交差点の真ん中でホースで水遊びしたい。

誰かを癒す力がわたしに備わっていればいいのに。

海は涙を包んでくれる、だからわたしはあなたの悲しみを包む海になりたい。

だなんて思う瞬間がいつか来るのだろうか?

高いビルの屋上から大量の羽を撒き散らしたい。都会の真ん中で。

突然ですが今日で世界はおしまいです。

問題です。終末の日の夕焼けは何色をしているでしょうか?

原子の寄せ集めが何か喋ってる。

ねえ今日いきなり車を借りて遠い海まで夕焼けを見に行きたい。

なんてことを言ったら君はどんな顔をするでしょうか。

今この瞬間だって億千の星が頭の上に輝いているって考えたことある? 

だから何。

空と海の境界線が分からないような曖昧な景色は今世界のどこで見えるのか。

使わないもの全部全部燃やしちゃいたい。

思い出が煙になって地球に還る。そうして今度はまた誰かの思い出の一部へ。

祈る。何に?

会いたい人に今すぐ会いに行きたい。

出会うべき人に、出会うべきところで、出会うべくして出会いたい。

早く「その時」になればいいのに。