東大臨床心理の院試の勉強法について

東大臨床心理の院試勉強の内容をブログに書いておいたほうが誰かのためになるかな...と思ったので,忘れないうちに書き留めておくことにします.

私自身,外部からの受験ということもあって情報が無くて本当に困ったので.

実は院試についての記事は3ヶ月前にも書いたんですが,私の個人史のような内容だったので,改めて書き直します.

いつかだれかのお役に立てたら幸いです.

 

 

1.自己紹介

現在大学4年,専門は臨床心理ではありません.

したがって,本当に知識0からの受験でした.独学です.併願はしていません.

 

 

2.いつから勉強を始めるか

まず,東京大学の場合,試験が9月中旬,願書提出が6月末(H31の場合)です.

願書提出の際に必要とされている書類に研究計画書が含まれており,この研究計画書の作成に結構時間がかかります.3ヶ月は見ておくべきだと思います.(学部の専門が心理の人は,自分の卒業研究の延長のようなものを書いたりできるので,もう少し楽かもしれません...)

したがって,1年前から初めれば超安心,遅くとも年の始めにはスタートしておきましょう,という感じになるかと思います.

 

 

3.研究計画書を書こう

まず,ciniiやGoogleScholarなどで自分が研究したい分野の先行研究を探して読みます.そして,論文の参考文献から芋づる式に論文を探し出してひたすら読み続けます.50本ぐらい読めば大枠が掴めると思います.

その後,書き始める前に,私は以下の2冊をざっと読んだ気がします.本当に何もわからない状態だったのが多少マシになりました.

 

公認心理師・臨床心理士大学院対策 鉄則10&サンプル18 研究計画書編 (KS専門書)

公認心理師・臨床心理士大学院対策 鉄則10&サンプル18 研究計画書編 (KS専門書)

 
合格ナビ! 臨床心理士指定大学院攻略 〔英語編〕

合格ナビ! 臨床心理士指定大学院攻略 〔英語編〕

 

 

これを読んだ後は,書く→添削してもらう→書く の繰り返しで洗練させていけばいいと思います.本当に,絶対添削してもらうべきです.

 

私はいろいろあって2回研究計画書を書いたんですが,1度目は1月〜3月末の3ヶ月,2度目は5月末〜6月末までの1ヶ月という時間がかかりました.2回目でなぜこんなに早く書けたかというと,添削してくださる先輩と繋がることができたからです...研究計画書を書く際には,絶対に添削に協力してくれる人を探すべきです.

 

 

4.英語はコツコツしよう

英語の問題は,教育学研究科共通の問題です.人文科学系の内容のだいたい200words前後の文章が3題あり,そのうちの2題を選んで90分(もしかしたら2時間だったかも,忘れました)で和訳するものです.問題は和訳のみです.

大体英検1級レベルの単語が出たような気がします.

私は院単を一冊暗記しました.

院単―大学院入試のための必須英単語1800

院単―大学院入試のための必須英単語1800

 

あと,TOEFL対策の本をなにかしら持ってる人は、その本の中で人文系の単語を重点的に覚えるのも良いと思います.

個人的には,以下の本もおすすめします(私がやっておけばよかったなと後悔してる本です).単語だけでなく各分野のトピックを抑えることができます.

テーマ別英単語 ACADEMIC [中級] 01人文・社会科学編

テーマ別英単語 ACADEMIC [中級] 01人文・社会科学編

 
テーマ別英単語 ACADEMIC [上級] 01 人文・社会科学編

テーマ別英単語 ACADEMIC [上級] 01 人文・社会科学編

 

 

心理院単なるものが売っていますが,院試の問題を解くことを第一の目標に据える場合あまり効率が良くないと思うので私はおすすめしません.心理系以外の文章も出ますし,共通問題ということも合って専門用語はそこまで出てこないので.

 

和訳の練習はこれで間に合うと思います.(ちなみにわたしは時間が取れずほぼできませんでした)

基礎英文問題精講 3訂版

基礎英文問題精講 3訂版

 

私は過去問は直前1ヶ月に取っておいて,それまでは,実際の問題と同じような長さの他の人文系の英文を時間内に全訳する練習をしていました,毎日1題ずつぐらいです.

 

 

5.専門科目−心理編−

臨床心理学1 これからの臨床心理学 (臨床心理学をまなぶ)

臨床心理学1 これからの臨床心理学 (臨床心理学をまなぶ)

 
臨床心理学をまなぶ2 実践の基本

臨床心理学をまなぶ2 実践の基本

 
臨床心理学をまなぶ6 質的研究法

臨床心理学をまなぶ6 質的研究法

 
臨床心理学まなぶ4 統合的介入法 (臨床心理学をまなぶ)

臨床心理学まなぶ4 統合的介入法 (臨床心理学をまなぶ)

 
臨床心理学をまなぶ5 コミュニティ・アプローチ

臨床心理学をまなぶ5 コミュニティ・アプローチ

 

問題構成から見るに,専門の問題はおそらく臨床心理コースの教授がそれぞれ1問ずつ作っておられると思います.したがって、上記の本は絶対に読んでおくべきです.ほぼほぼここから出ます.

上記の本を読んで,重要単語はもちろん,背景となっている考え方を頭に入れて,論述できるようにしておくべきです.

しかし,上記には高橋先生と滝沢先生と野中先生の著作は含まれていません.したがって,高橋先生が作成される問題の対策のために,企業におけるメンタルヘルス産業心理学を学んでおくこと,滝沢先生の場合は,バイオマーカーを用いる研究や精神医学との関連などを抑えておくこと(先生の研究室のサイトに行って先生がどのような研究をされている/目指しておられるかをチェックすること),野中先生の場合は,精神疾患や各発達障害の特徴,介入方法,介入における留意点などを抑えておくことが必要だと思います.

 

わたしの場合,過去問を10年分持っていましたので,10年分全ての問題の解答をwordで作成し,例題をさらに20年分位つくって,全部自分で解答を書き,これを4月末までに終わらせ,4月以降はひたすらそれを暗記する(ひたすら書いて手に憶えさせる)計画でした.・・・

結局いろいろあって,過去問に触り始めたのが8月からで,どうにか例題20年分相当を作成して全部解答を作るまではいったんですけど,作成し終わったのが試験前日の夜22時で「計画〜w」とか言って爆笑しながら印刷しました(印刷したら試験会場で読めるので)(暗記に時間をあてることがほぼできなかったので,本当に本当に絶対に落ちると思いました.)

 

当初の計画通りだったら,かなり自信を持って受けることができたと思います...

 

けど一応受かってるので,これまでやってきた例題を作ったり解答を考えたりする行為が結構良い勉強になってたんだと思います.この30年分ぐらいの文章,連絡していただければ全然譲渡するのですが,今振り返ってみると,正直これを自力で作成するプロセスが重要だったと思うので,あんまりおすすめしません...ぜんぜん譲渡しますが!

 

 

 

 6.専門科目―統計編−

南風原先生が問題を作成されてます.

わたしはまずこの本

よくわかる心理統計 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

よくわかる心理統計 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

 

を冬休みの間に読みました.サラッと読んで雰囲気を掴むだけです.

その後,春ごろから(これは理想で,私が始めたのは8月からでした.8月からでは絶対に絶対に遅いと思います,本当に絶望してました)

臨床心理学をまなぶシリーズの『量的研究法』と『心理統計学の基礎』を読みながら,過去問を解きつつ,例題を作りつつ,例題の解答を作りつつ,暗記する,という方法を取りました.

臨床心理学をまなぶ7 量的研究法

臨床心理学をまなぶ7 量的研究法

 
心理統計学の基礎―統合的理解のために (有斐閣アルマ)

心理統計学の基礎―統合的理解のために (有斐閣アルマ)

 

また,上記の南風原先生の『心理統計学の基礎』と完全対応しているワークブックもあります.

心理統計学ワークブック―理解の確認と深化のために

心理統計学ワークブック―理解の確認と深化のために

 

計算問題が多く,かなり難易度が高いです.当初はこれを何周かする予定でしたが,私は計画が死んでいたので,この本に取り組むのを諦め,単語の暗記で闘いました(実際,過去に計算問題が出題された試しがないので,個人的には,計算の演習は超重要,とまではいかないと思います,あくまでも概念を理解するのが先でしょう).

ちなみに,東大院生のアシリスさんのブログでは

理解するには,最低3周。自分のものにするには7周以上した方が良いでしょう。
この7周というのは,内部生も苦戦し,平均すると7周くらい繰り返していたことから出た数字です。 

 と書かれています.わたしの知り合いの先輩もこのワークブックを使ったといっておられました.したがって,このワークブックはやって損することは絶対に無いですし,時間が許すのならば解いておくべきだと思います.

 

『続・心理統計学の基礎』というのもあるのですが,ここまでの問題は出ないので読まなくても大丈夫だと思います.

続・心理統計学の基礎--統合的理解を広げ深める (有斐閣アルマ)

続・心理統計学の基礎--統合的理解を広げ深める (有斐閣アルマ)

 

 

追記:

南風原先生は来年から問題を作成されないようです.(現役東大院生が教える心理学さんを参照)

 

 

7.面接

①なぜ臨床心理士を目指すのか?
②なぜ他でもないこの東京大学の大学院に?
③この研究のポイントは何か?
④(研究計画書について)なぜこの手法をとるか?
⑤この研究はどう役に立つのか?
ということは絶対訊かれるだろうな〜と思って,なんとなく答えを箇条書きにしたりしていましたが,言うセリフをかっちり決めて憶えたりはしませんでした.その場で心に思い浮かんだことを素直に言えば大丈夫だと思います(私が面接であまり緊張しないタイプなのでそうなのかもしれません...)
というか,教授の方々は人をみるプロなので取り繕っても無駄だと思います.
 
面接は大体10分程度で,臨床心理コースの教授陣全員と自分ひとり,という形です.
私のときは,面接で25人から14人まで削られましたので,一次で通っても気は抜けません.
 
本番では,上記の①,②,③と,あとは私の出身学部が珍しい学部だったので,その分野から臨床心理へ移ろうと思った理由と,修士ではどんなことを学びたいかということを訊かれました.
 
 
8.KALS,Z会などの利用は必要か
個人的には不必要だと思います.
東大の先生方が書かれた教科書から問題が出題されるとわかっているので,それらを使って勉強するのが一番の近道だと思います.
 
 
 
 
こんな感じでしょうか.なにか質問があれば lic0.saturn@gmail.com へどうぞ.
ではでは.